毎年この時期になると解禁の話が話題となるフランス産ワインの新酒「ボジョレー・ヌーヴォー」。今年の解禁日は11月15日である。しかし、今年は天候不良のためボジョレー・ヌーヴォーの原料となるブドウ収穫量が、想定の約半分と「史上最悪」(仏ボジョレーワイン委員会)だったことが分かった。そのため、日本への輸入量も例年よりも少なくなる見通しで、価格上昇が懸念される。輸入業者は必要量の確保と価格据え置きに奮闘している。
仏ボジョレー委員会によると、フランスのボジョレー地方で収穫されるこのワインの原料となるブドウ「ガメイ種」が、最盛期の9月下旬で今年は例年の半分以下となる収穫量であった。原因は夏場の低温や雹(ひょう)が降ったことなどが影響であるとされている。その後に天候が回復し、ブドウの品質は「よく熟すことができて健全」というが、同委員会は「供給量は逼迫(ひっぱく)することが心配される」としている。
気になる価格については「ボジョレー・ヌーヴォーはワインを好きになってもらうきっかけの商品なので、上げられない」(アサヒ)など、各社とも昨年並みを維持する方向。収穫量が減ったため輸入価格は上昇するが、その値上げ分については現在の為替の円高メリットで相殺でき、店頭価格は前年並みを維持できるという。
ボジョレー・ヌーヴォーは例年、11月の第3木曜日に解禁され、日本は生産量の約半分を輸入する世界一のボジョレー・ヌーヴォー消費国。世界の中でも日本でいち早く飲めるというイベント効果と、「ワインの入門品」として消費者に浸透。
仏食品振興会によると、日本の市場規模は2010年に前年比19%増の59万6000ケース、11年は12%増の66万6000ケースと2桁の伸びを示しており、今年も多くが取り扱われる見込みであった。しかし、今年はボジョレー輸入の国内最大手のサントリーの推計によると2%増にとどまり、「前年割れの可能性もある」(同社)との見方もある。
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